前回の記事に書いた通り、朝9時過ぎにはコロッセオについていたはずなのに、予約チケットの引き換えに80分並び、さらに入場可能な時間は1時間以上あとの12時25分という現実・・・。
時間が有り余っているので、コロッセオのチケットで入場可能なフォロ・ロマーノへ行ってみることにします。
フォロ・ロマーノへ行ってみよう
コロッセオの西側、チケット引き換え所の先にある坂を上ると、フォロ・ロマーノの入り口にたどり着きます。
入り口では簡単な手荷物検査があり、4月下旬の観光シーズンに訪れた私はここで30分ほど並びました。
フォロ・ロマーノとは
約2,000年前の古代ローマ遺跡であるフォロ・ロマーノは、1980年に「ローマ歴史地区」の一部として世界遺産に登録された場所。
フォロ・ロマーノの「フォロ」は市民の公共広場の意味。古代ローマの政治・経済・宗教の中心部で、カエサルの共和政時代から帝政ローマ時代に最も栄えた場所だそう。
ローマ帝国が衰退したのち、ルネッサン期にはローマ市街の再建のために多くの古代遺跡の装飾から建材が持ち出されてしまい、フォロ・ロマーノは急速に喪失されていきました。遺跡の発掘が開始されたのは19世紀ごろです。
▼当時のフォロロマーノの様子
参照:Wikipedia
約2,000年前の古代遺跡を眺め歩く
フォロ・ロマーノに入ると目下に広場が。広い広いと来る前から想像していたのに、見てみるとそれよりもずっと広い!
東西約300m・南北約100mという広々とした敷地内のあちこちに遺跡があって、古代ローマの時代にタイムスリップしたような気分になれます。
説明の看板などが多くないので、どれがどんな遺跡なんだかさっぱり分からないまま、「遺跡だ~」という単純な感想だけでただただ歩き回りました。こういうところはガイドさんがいるほうがおもしろいんだろうなあ・・・。
でも、ずうっと前にこの地で生きた人たちのことをぼんやり想像したり、2,000年前にこんな建造物があったなんてと驚くだけでも、趣深い場所でした。
地図上の上部(北側)がフォロ・ロマーノで、下部(南側)がパラティーノの丘です。
フォロ・ロマーノにある遺跡たち
以下、名前を調べながら遺跡の写真を掲載していますが間違えてたらごめんなさい…。
▼ティトゥスの凱旋門
入口を過ぎて最初に見えるのはティトゥスの凱旋門。期限81年の建設、ローマに残る最古の凱旋門です。
凱旋門の先を進みます。
▼アントニヌスとファウスティーナの神殿
141年ごろの建設。アントニヌス・ピウス帝が妻を偲んでつくったもの。
▼聖なる道(ヴィア・サクラ)
古代ローマ市の東西の大通りで、コロッセオまで続いていたんだとか!凱旋式や宗教祭事に使われた重要な道。娼婦が客引きをしていた場所でもあるそう。
▼エミリアのバジリカ周辺
エミリア族によって作られた、裁判や商取引などが行われたバジリカ(公会堂)。西ゴート族の侵入で炎に包まれ、今は無残な跡だけが残ります。
▼元老院議事堂(クーリア・ユリア)
ほかと荘厳な建造物とはちょっと違う、家のようなシンプルな四角い建物。中にも入れるらしいです。
▼サトゥルノの神殿
幸運な時代を築いたとされる、農耕の神であるサトゥルノを祭った神殿。紀元前5世紀ごろの建設。国家の財宝がおさめられていたところなんだとか。
入り口部分の柱しか残ってないんですが、それだけでもスケールの大きさを感じさせ、威厳ある佇まいですごく格好良かったです。
▼セヴェルスの凱旋門
セヴェルス帝の東方遠征での勝利・即位10周年を記念して建造された凱旋門。
▼ユリウスのバジリカ周辺
こちらは司法や行政にかかわるバジリカ(公会堂)。
▼カエサルの神殿
「賽は投げられた」の言葉で有名なユリウス・カエサルの神殿。まったくそうとは知らず、倉庫かなんかかと思った(失礼)ほど小さくしか残っていませんでした。
でも観光客が多く立ち寄っている場所でした。数少ない日陰スポットだからかもしれないけど。
▼ヴェスタの神殿
火床の神ヴェスタの神殿。もとは円形の神殿だそうですが、今は一部の大理石しか残っておらず、小さめです。
▼巫女たちの家
ヴェスタの神殿のそばにある、ヴェスタに使える巫女たちの家。居室や台所、浴室があります。
中庭には小さな池も設けられていて、ほかと雰囲気のちがう綺麗な場所でした。(上のほう見えるのはパラティーノの丘)
何体もの巫女の像が立っていますが、身体の一部が欠けているのが独特な雰囲気を醸し出します。
靴は歩きやすいものが◎
大きな石が埋められた地面はデコボコなので、歩きやすい靴で来るのがよさそうです。
広いわりにほとんど日陰がないので、暑い時期に来るならお水があったほうがよさそう。必要な人はサングラスや帽子も。
パラティーノの丘から街と遺跡を見下ろす
同じチケットで、フォロ・ロマーノの南側に位置するパラティーノの丘にも入場可能です。都市ローマの起源となったローマの7丘のひとつで、最古のもの。
歴代の皇帝が宮殿(パラティウヌ)を建てたことから、パラティーノの丘と呼ばれているんだそうです。
でもいまいちどこからがパラティーノの丘なのかははっきり分かりませんでした。笑 とりあえずフォロ・ロマーノの南側に進んで、高いところにいればパラティーノの丘のあたりなのかな・・・くらいの・・・(適当)
ここからは遺跡を一望することができます。
ローマの街並みを見渡せる場所も。
時間があるからついでに・・というレベルで見てみたフォロ・ロマーノとパラティーノの丘ですが、目的なくあちこち歩き回っているだけで1時間はすぐに過ぎるほど広大でした。
時間がなければ、パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを一望するだけでも楽しめるかも。
繰り返しになりますが看板などが少ないので、事前に調べていかないと私のようにボーッと過ごすことになります。しっかり見たいならオーディオガイドを借りるか入念に下調べするのがおすすめ!