気分はいつでも旅行客
20代営業職女性による国内外への週末ひとり旅のススメ
201905 GWイタリアひとり旅

古代闘技場コロッセオは「恐ろしさ」と「すごさ」を併せ持つ場所だった<イタリアひとり旅7/ローマ>

コロッセオ

待つこと数時間、ようやくコロッセオに入場できました!せっかくなのでちゃんとオーディオガイドを借りて、しっかり見学することにします。

2,000年前の人々の娯楽の地、おそろしさと歴史的な感動とで感情がごちゃ混ぜになる時間でした。

到着してから4時間後、ついにコロッセオの中へ!

朝9時過ぎに来て、予約済みのチケットを80分かけて引き換えたところ入場可能時刻は12時25分。フォロ・ロマーノを見学して時間をつぶしたのちにさらに60分待ち、ようやく、ようやくようやくコロッセオの中に入ることができました!

また並ぶ
GW時期のコロッセオで予約待ちの列に心をやられた話<イタリアひとり旅5/ローマ>コロッセオを眺めながら優雅に朝ごはんを食べたあとは、観光に出かけます。 ただこのあと、GW時期のイタリア観光の大変さを味わうことに...

入場時には空港のような荷物検査があります。

入り口

音声ガイドを受け取る

前々回の記事で書いた通り、公式HPからの予約が完売でできなかったので、今回はちょっと割高なツアーサイトから予約しました。

その際にオーディオビデオガイドがついてきたので、まずはそれを借りに行きます。現地でも6€でレンタル可能。日本語対応の機種もあります。

コロッセオを2階→1階と見学しながら計7スポットで再生するための音声ビデオが用意されています。多くは音声での解説ですが、たまにコロッセオを舞台にした映画かなんかの映像を用いて、当時の様子を見せてくれます。

音声ガイド2
音声ガイド

人生初オーディオガイドレンタル!いろんなおもしろい話を聞けたので、以下にちょこちょこ小出ししていきます。

コロッセオは当時の娯楽場所

コロッセオの2階部分の、天井のあるエリアは展示場になっていました。

展示場

そもそもコロッセオとは

コロッセオとは、紀元80年ごろに完成されたといわれる古代の巨大な円形闘技所のこと。直径189メートルの楕円型をしたこの施設の観客収容人数は50,000人といわれ、ラテン語で「巨大な」の意味である「コロッソ」をもとにコロッセオと呼ばれた説があるそうです。

当時のローマでは首都の再建のために緊縮政策がとられていて、市民の不満を溜めないための娯楽施設として造られたんだとか。

外観模型

この場所で殺しあった剣闘士たち

ここでの見物は、剣闘士(グラディエーター)や猛獣たちの命をかけた戦いでした。

剣闘士の大半は戦争捕虜や奴隷。一部、犯罪者や自ら希望する人もいて、10人に2人が自由民だったそう。

厳しい訓練もあり、ビデオガイドでは身体中をペンキで塗られた剣闘士を使って「この赤い部分を狙えば即死で、青い部分なら・・」と指導官?が説明をしているシーンがありました。

グラディエーター参照:Wikipedia

聞けば聞くほどおそろしいエピソードの数々

さて、コロッセオの屋外部分の見学をします。

先述した通り、一般的な見学ルートは2階を周ったあと1階に降りてまたぐるっと周る・・・というものなんですが、記事に掲載している画像はその見学順ではありません。

闘いが行われた大きなアリーナ

外に出ると目下に大きな大きなアリーナが広がります。さすがの迫力!

アリーナ全体

アリーナ部分には、特別な予約制のツアーに参加すれば降りられる様子でした。

アリーナに降りる人

アリーナに砂が敷かれていた理由

当時アリーナには厚い木の板が床として使われていて、その上には砂が敷き詰められていたんだそう。砂が敷かれていた理由は「水はけをよくするため」、そして「戦士たちが流した血を掃除しやすくするため」

アリーナ

ヒイーーーーー。

身分によって座る位置が違っていた

ここもフォロロマーノのように建材物が持ち出されてしまっていて、どの部分が観客席なんだかはいまいち分かりづらい・・・。

当時は身分によって細かく席が分かれていたんだそうです。下の席がいちばん身分が高く、たとえば1階は貴族たちなどのVIP席、2階は一般、3階は立ち見など。

階段

観客用の入口は1階部分に計80か所。どうやって入場管理してたんだろう。

大きな入り口

午前は猛獣たちとの闘い

午前中のプログラムは、戦士たちと猛獣たちの殺し合い。トラやらゾウやら。

猛獣たちにはそれぞれあえて名前を付けていて、「名前のついた動物を殺してしまう残虐性」が余計に人々を高ぶらせたそうです。いや怖。

猛獣に狙われるキリスト教徒
参照:Wikipedia

動物たちは地下に設けられた檻で飼育されていて、戦いになると昇降機を使ってアリーナにせり出されていたそうです。この当時に「地下から昇降機で猛獣をせり出す」設備があったってすごい。

1階から

地下にはそのほか機材置き場などもあったそうですが、今はごらんのとおりむき出し状態。かつ工事中です。(2019年5月時点)

午後は剣闘士同士の戦い

お昼の時間帯には罪人の処罰が行われ、午後に始まるのが一番人気の剣闘士同士の戦い

生きながらえた剣闘士は、観客たちが生き死にを決められたそうです。親指を上にすれば「生」、下にすれば「死」。これがブーイングのもとなんだとか・・・。

1階観客席

闘いの間も、観客たちは大熱狂で「捕まえろ!」「逃がすな!」「殺せ!」と叫び続けていたんだそうです。

ほんとうに「人が死ぬこと・殺すこと」が娯楽だったんだな・・と、なんだか現代で育んだ道徳観を持つ身としては理解しきれないことしかなくて、頭がくらくらします。

こんなドでかいアリーナに水を張って模擬海戦することもあったんだって。本気すぎる。

模擬海戦参照:Wikimedia Commons

2,000年も前からある歴史的建造物

正直一番の感想としては「この場所コワッT_T」という感じなんですが、2,000年も前にできた建造物が今もこうして立派に残っているという事実にはシンプルに感嘆します。だって日本はまだそのとき弥生時代ですよ・・・!

よく見ると壁に穴が開いていたりするんですが、こういうのも建材を持ち出された際に、当時貴重だったを抜かれてしまった跡なんだそう。いたるところに歴史を感じる。

円柱

倒れている円柱ひとつとっても歴史的に価値があるもの・・・なのに平気で座る観光客たち・・・・・!(画像左)

円柱に座る人

ちなみに、2階にはモダン~なお土産ショップがありました。

お土産屋さん

以上!鬼ほど並んで午後の予定(ヴァチカン美術館)がキャンセルになったおかげ?で?、走り抜けて観光するつもりだったコロッセオをじっくり見ることができました。

日本が稲作を始めて高床式倉庫なんかを作っていたころに、ローマの地にこんな場所があったんだということに、関心するやら恐ろしくなるやら、感情が忙しく動く場所でした。

外から見れば満足という人もいると思いますが、私はアリーナをこの目で見たからこそ、この持て余しそうなほどの気持ちを抱けたんだろうなと思います。興味がある方、ぜったいに早めに公式HPから予約して!一切待たずに!ストレスなく!入場してください><!!